「相続税が発生しないから、手続きは必要ない」と思って遺産分割や不動産の名義変更を放置していた結果、何年か経った後に遺族間のトラブルが起きてしまう…、そんなケースが少なくありません。

トラブルが起きやすいのは、「遺産分割の合意はしたけれど書面に残していない」という場合です。

遺産分割協議書という書面がないと、遺族の合意はただの口約束になってしまい、対外的には通用しません。そのため後になって誰かが財産の分割に不満を言い出せば、その主張がまかり通ってしまうこともあるのです。

また不動産の名義変更をしていないと、土地や建物を売却する必要が出てきた際に、改めて相続人全員の了承を得なければなりません。相続から時間が経つと、相続人の誰かが亡くなって「二次相続」が発生していることもありますから、「いとこ」「はとこ」といった顔も知らない相手に了承を求めなくてはならないケースもあるのです。

ご家族が亡くなられ、「相続」が発生すると、まず遺産をどのように分けるのかという問題に直面します。「親の面倒を見たから」「大学を出させてもらえなかったから」などと、相続人みんなが自分の利益を主張した結果、親族間に後々しこりが残ったり、弁護士も入って５～10年がかりの訴訟になる例も少なくありません。

こうした相続絡みの争いを避けるため、当事務所では「特定の相続人の肩を持つことはしない」というポリシーで遺産分割のご依頼を引き受けております。

私たちは、ご家族みなさま方のきずなが一番大事だと考えております。したがって、お話を伺っていく中でも、お互いにお互いの身になって考えていただけるよう、アドバイスを差し上げることもあります。